私は過去に中学校の教師をしていて退職しましたが、パニック障害、うつ状態になり、病気休暇(病休)と休職をとった経験があります。
病気休暇(病休)とは、
- ケガや病気で勤務できない時に取ることができる。
- 教育委員会に申請する書類1枚と病院の診断書1枚必要になる。
- 基本は最大90日取れる。
- 給料は満額(100%)支給される。
というものです。
しかし、うつなどの精神疾患の場合、病気休暇(病休)の期間では休養がたりないことも多いです。
その場合は引き続き、休職というかたちで休むことを続けることができます。(初任の先生は条件付き採用なので、休職をとることはできません。)
今回の記事は、病気休暇(病休)から引き続き休職をとる場合の
- 待遇はどうなるのか
- 手続きはどうなるのか
- 期間はどれくらいになるのか
- 給料はどうなるのか
という話をしていきたいと思います。
もくじ
病気休暇(病休)と休職の根本的な違い
私は病気休暇(病休)も休職もどちらとも経験しましたが、休んでいる本人は「仕事に行かずに休んでいる」状態ですので、正直大きな変化はありません。
しかし、病気休暇(病休)と休職は性質が大きく異なります。
簡単にいうと、病気休暇(病休)は、労働者の権利で「私は休みたいので、休みます!」というもので、
休職は、「あなた(労働者)は休みなさい」と雇用側が命令するものです。
つまり、病気休暇(病休)は、労働者の権限が強く、休職は雇用側の権限が強いというような感じです。
なので、休職になると辞令が出ます。
病気休暇(病休)から休職となると、このように性質も違うため、休職になる手続きも改めて必要になります。
病気休暇(病休)から休職の手続きは大変
自治体によって違うかもしれませんが、病気休暇(病休)に入るときは、
- 教育委員会に提出する簡単な書類1枚
- 病院の診断書1枚
が必要でしたが、休職に入るときは提出する書類が増えます。以下の通りです。
休職に必要な書類
・教育委員会に提出する簡単な書類1枚
・病院の診断書2枚(教育委員会指定の書式)
となります。
簡単にいうと、「書式が委員会指定になる+診断書が1枚増える」ということなのですが、文字だけ見ると大したことなさそうに見えますが、これかなり大変なのです。
書類の形式が教育委員会指定
病気休暇(病休)のときに提出する診断書は病院独自の形式の診断書で書いてあることは
- 病名
- 必要な療養期間
この程度です。
しかし、教育委員会指定の書式だと
- 病名
- 必要な療養期間
に加え、
- 病気に至るまでの経緯
- 学校復帰するのにどんなことが心配か
など文章で書くようなところが増えます。
書くのはお医者さんなのですが、金額の負担が増えます。
病院形式の診断書より、外部の書式の診断書だと1.5倍〜2倍の金額になることが多いです。
しかも、それを「2枚」です…
診断書2枚ということは病院2ヶ所ということ
もちろん、同じお医者さんに2枚書いてもらうことではありません(笑)
違う病院で違うお医者さんに書いてもらうということです。
これも文字で書くと大したことない感じがしますが、通常、同じお医者さんに診てもらって経過を観察するので、2つ目の病院となると新しく病院を探すところからスタートするわけです。
そして、新しい病院で上記のような記入欄の多い診断書を書いてもらうとなると、また一から状況を説明しなければいけなくなります。
これをうつで休んでいる人間がやるとなると体力的にも精神的にもしんどいです。
私の場合、2つ目の病院の予約が取れたのは2週間後でした。
そして、診断書もその場ですぐに書いてもらえるわけでもなく、そんなことを知らない教育界側は早くしろと言ってきます(笑)
この板挟みみたいなことでだいぶ消耗しますので、注意してください。
ということで、2ヶ所の病院で教育委員会指定の診断書を書いてもらうということを、割と短期間にこなす必要があります。
病気休暇(病休)から休職になると給料はまず80%
病休から休職になると、給料はどうなるの?
病気休暇(病休)のときは、給料は勤務しているときと同じように満額(100%)で支給されていました。
休職になると、「はじめは」80%支給に変化します。
休職期間中は少しずつもらえるお金が減っていきます。
はじめの1年は80%支給されますが、そのあとは給料ではなく、傷病手当金として給料の3分の2ほど支給されるようになります。
詳しくはこちら↓
休職は最大3年間取れる
病気休暇(病休)は基本的には90日で、自治体によっては180日のところもあります。
休職は共通して最大3年間取れます。
教員という身分を保ちながら、長く休める待遇というのはありがたいですね。
実際に病休→休職を経験した私の経験談
私の自治体は病休は180日だったので、
- 2016年11月4日〜2017年5月3日→病休
- 2017年5月4日〜→休職
となる手続きをしました。
休職となる手続きをするために、病休の期間が終わる直前に、校長から休職の話がありました。
「早急に診断書をもらってきてほしい」と簡単に言われ、はいつくばりながら行きましたよ(笑)
いつも通院している病院でも、急に診断書書いてほしいっていうと時間かかるのに、新しい病院で書いてもらうのは至難の技…
私の場合は、予約取れたのは2週間後でした。
待ち時間、診察、診断書その場で発行で3時間はかかりました。
「この期限までに教育委員会に休職の手続きをしなければいけないんだ」という学校側の主張と「いきなり診断書ほしいってそんな無茶な」という雰囲気の病院との板挟みになりました。
本当、こういう書類っていやになります…
そして、話には続きがあります。
苦労して、2つの病院から診断書をもらい、2つの病院ともに「平成30年3月31日まで休職を要する」と書かれたのに、県の教育委員会の審議というもので、なぜか休職の期限は「平成29年6月末まで」という結論。
校長先生曰く、はじめは短めで休職の期間を言われるらしいです。
代わりの講師派遣の都合などもあるそうです。
でも、おかしいと思いません?
直接みてくれている医者が2人も3月末って言っているのに、知らない教育委員会の人たちが勝手に6月って、診断書もらった意味ないですやん。
そして、休職を延長する場合は、1枚でいいのですが、また教育委員会指定の診断書もらわなくちゃいけないんですよ。
病気休暇(病休)から休職のまとめ
長くなりましたが、病気休暇(病休)から休職に切り替えるときのまとめです。
・病気休暇(病休)は労働者の権利、休職は雇用側の命令
・手続きは異なる2箇所の病院から教育委員会指定の診断書をもらう必要がある
・給料は100%→80%になる
・休職は最大3年間とることができる
特にうつなどの精神疾患は、病気休暇(病休)の90日だけだとなかなかゆっくりとは治療できません。
心のどこかで「あと○日で復帰しなくちゃ」と思いながらでは、よくなるものもよくならないような気がします。
しかし、「いざとなったら休職もある!」ということを知っておくだけで、ゆっくり休めそうですね。
あわせて読みたい
▼病気休暇(病休)についてのおさらいはこちら
▼休職3年間のくわしいことはこちら
[…] […]