私は元中学校体育教員で、パニック障害、うつ状態が原因で休職しはじめ、教員に戻ることなく退職しました。
なぜ、私が教員に戻らなかったのか。
もちろん体調の変動があること、そして1番は学校で教員をやることに違和感を感じ流ようになったからです。
今は学校ではできない教育、学校が合わない子(先生)の居場所を地元に作るために少しずつですが活動しています。
今日は友人でもある一般社団法人ハートキーパーの会の大谷まどかさんのご紹介で、金沢市元町福祉健康センターの保健師の方につなげていただき、お話をする機会をいただきました。
今日はそのレポートと今日のお話で考えたことを記事にしていきたいと思います。
もくじ
いざ金沢市元町福祉健康センターへ
まず、教員のときって名刺作ったことないんですよ。
あ、職場体験のときは外部とのやりとりがありましたので、一時的に持ちましたが、ほぼ教員の間は名刺不要でした。
ちょっと倫理法人会やネットワークやってたときに、名刺作ったけど、肩書きもいろいろ変わるし、今はブログやらの世界にいたので、Twitterが名刺がわりだったので、まどさんの「公と繋がるときは名刺あったほうがいいよ」とのアドバイスから、名刺もサクッと作っていただきました。
これからも肩書きいっぱい変わるだろうから、とりあえずでね。
と。
今日は友達に紹介してもらって、圏内の保健福祉センターの不登校、引きこもり担当の方につないでもらいました。
で、その友達に名前、電話番号などのとりあえずの名刺作ってもらい、デザインはお任せしたところ、まさか裏はこれw
なんかすでに懐かしい…笑 pic.twitter.com/XecKANl14X
— パニうつみほ先生@新しい居場所を地元に作る (@miho1ara) April 22, 2019
いざ、名刺を持って金沢市元町福祉健康センターへ!!
担当の保健師Kさんは不登校やひきこもりの担当もされているとのことで、柔らかい印象でとても話しやすく、私も素のまま話すことができました。(実際にめちゃくちゃ話が弾みました!)
保健師Kさんと友人まどさんと3人、2時間あっという間の時間でした。
以下、話をした内容と私の考えをつらつた書いていきます。
不登校や引きこもりに対する自分の視野が広がった
はい、視野狭い元教員である私がまず不登校、ひきこもりと聞くと
とかしかイメージできなかったのです。
しかし、保健師のKさんの話によると、
- 不登校はまだ学校へ行く年齢なので、教育機関の学校やセンターからもサポートがありますが、引きこもりは年齢層が幅広い。
- 特に大人になってしまったひきこもりの方が多く、8050問題も深刻。
と質問してしまう私を許してください…
8050問題とは、「親が約80歳、子が約50歳くらいまで引きこもりが長期化し、収入や介護に関しての問題が発生するようになること」
だそうです。
8050問題の当事者である親子の今までのことや今後のこと、それを解決しようとする行政や団体のことなどいろいろ考えると、引きこもりって自分が思ってたより深刻だなと感じました。
到底、私はその解決はできないし、自分が今まで携わってきた中学生くらいの世代が将来8050問題の親子のようにならないように(こういうと失礼ですがすみません)というところで何かしたいなと思いました。
私がこの問題に携われるとしたら、今の現状の数を減らすのではなく、これからの8050問題の数を増やさないようにしていくこと、つまり、教育だなと改めて思いました。
これは子どもだけではなくて、親御さんも同時に学んでいかなくちゃいけないことだなと思いました。
そして、不登校、ひきこもりは教育からの視点だけではなくて、このような福祉、そして就労などの切り口もあるということも学ばさせていただきました。
金沢市には生きづらい人の居場所がたくさんある
今回お話させていただいて1番びっくりしたことなのですが、「金沢市には生きづらい人の居場所となるところがたくさんある」ということです。
2018年に金沢市では不登校・ひきこもり講演会交流会が初めて開催されたそうなのですが、そこに不登校・ひきこもりの当事者や親御さんを支える団体で集まったのがまどさんの一般社団法人ハートキーパーの会を含め、何と金沢市を中心に25団体!!
そんなにもあるのかとびっくりしました。
だって金沢市の中学校の数は24校ですよ!!(分校も合わせたら25校で、団体も金沢市ではない他市の団体もあります)
これだけでも生きづらい人がたくさんいる、当事者や親御さんが相談できる環境の需要があるということが分かりました。
この交流会に参加された団体様の一覧冊子をいただきましたが、
- 精神疾患を持った方がほっとできる居場所を提供する
- 不登校、ひきこもりの当事者、親が座談できる
- 発達障害を持った方が悩みを共有できる
- 不登校、ひきこもりの当事者が活動できる
- 学校に行けない子の学力を向上させる
- 学校が合わない子も可能性を見つける
など団体ごとに微妙に目的も違うので、ぜひ一度それぞれの団体に訪問しお話してみたいなと思いました。
石川県の県庁所在地の金沢市。こんなにも多様な居場所があって、すごくいいなと思いました。
自分のやりたいことをより明確化、もっとニッチに自分だからこそできることをする
保健師Kさん、友人まどさんと2時間にも及ぶお話会。
そして、今回のお話を聞いて、さらに教育の問題は膨大かつ負の連鎖を改めて感じた。
・教員の多忙化
・仕事の複雑化
・生活の多様化
など。
問題は果てしないが、全部やるのではなく、自分にしかできないことをやる。— パニうつみほ先生@新しい居場所を地元に作る (@miho1ara) April 22, 2019
特に初めて聞くひきこもりの方の現状など、教育視点から考えると、課題はたくさんあるなと思いました。
しかし、私の身は一つ。
そして、自分よりもそれを解決できる適任の方はもっといるはず。
改めて、自分にしかできないことをしようと思えました。
精神疾患になった、元中学校教員。さて何ができる?
https://twitter.com/miho1ara/status/1120192348556644352
子どもの選択肢を学校以外にも増やしたい
これはいつも思う。
義務教育中の選択肢が学校に行くしかないというのは、正直酷だと思います。
学校を否定するわけではありません。
学校という場が最適な子もたくさんいますが、学校が合わない子もいます。
「学校は行かなければいけない場所」と断定するのではなく、「なぜ学校に行くのだろう?」と考えられる人間になってほしいと思うし、学校へ行かない選択肢ができるのももっと認められるようになってもいいと思います。
小・中学生の親世代へ「認める」ことを伝える
で、これからの子どもだけではなくて、その保護者である大人も子どもが学校に行かない選択をするということ、大勢が選択しない方の選択をしても、「認める」ということをしてほしい。
ただ認めるだけでいいと思います。
でも「理解しないと認められない」と思うんです。
だから、大人が子ども以上に学ばなくてはいけないなと思います。
結果、教員の負担減
実際、自分が教員で担任やってるとき、自分のクラスだけで精一杯で、不登校の子に十分フォローはできていなかったです。
どこかの記事にも書いたけど、不登校の子がいると1クラス増えるイメージ。
学校行きたいのにいじめなどで不登校になってしまうなどの場合は別ですが、不登校を親子で自ら積極的に選択したなどの場合は、学校は今までみたいに無理矢理学校に戻したりする必要がなくなります。
すると、学校の先生側の負担も軽減できるのではないかと思います。
これは時間かかると思いますがね。
自分が活動することで、うつになっても這い上がる勇気を与えたい
あとは、うつになった私がやる意味。
特に先生を目指したのに、精神疾患になってしまった。教員復帰どころか、社会復帰も自信がなくなる。
かつての私はそうでした。
だから、私がゆるくともこうやって地道に教育に携わっていれば、特に精神疾患でやむを得ず教員に戻れなかった方へ少し希望を与えられるような気がします。
自分が先生になれる新しい教育の場を。
もちろん、教育ではなくても、うつを経験した私がなんとか前向きに生きてまっせ!と伝えられるはず。
自分が活動することで、自分よし、子どもよし、親よし、社会よし、教員よし、障害者よしになったらいいなと思います。
さて、次はどうする?
次は今回教えていただいた団体さまや、私の地元の小松市(←実はブログで初公開w)で金沢市のような取り組みがあるのか、訪問したりお話したいですねぇ。
ゆるゆるとではありますが、少しずつ形にしていきます。
本日は協力していただいた金沢市元町福祉健康センターKさん、一般社団法人ハートキーパーの会まどさん、どうもありがとうございました。
*私が学校以外の選択肢を作りたいと強く思ったきっかけ
→学校教育の批判じゃなくて共存を目指す~グッバイ公務員イベントにて~
*居場所も何でも、すでにあるものが合わないなら作ってしまおう
→自分の居場所は自分で作る